小学校教員の不人気 深刻
負担増で敬遠、受験倍率最低に 漫画や実技免除でPR
新設教科やいじめへの対応に伴う負担増や長時間勤務が敬遠されている。
各地の教育委員会は負担軽減などのPRに躍起だが効果は不透明だ。
専門家からは民間出身者の採用を増やすなど新たな工夫を凝らすべきだとの声が出ている。
(2019年8月27日 日経新聞朝刊より)
なぜ不人気か?
「大変だから」の一言に尽きると思います。
・教科担任ではなく、担任が全教科やらなければいけない
・英語やプログラミングなど新しい教科も勉強する必要がある
・いじめが発生した場合、教師の責任問題になりやすい
・モンスターペアレントの対応
・拘束時間が長い
・格別に給料がいいわけではない
パッと思いつくだけでもこんなにあります。こんな労働条件で働こうなんて思わないでしょう。
「子どもたちのために人生を捧げる」
という価値観を持った20代がどれぐらいいるのでしょうか。
教師に憧れが持てる話題よりも過酷さの方が浸透している気がします。
子どもの未来を左右する重要な仕事だと思いますが、自身の損得で考えたらどう見積もっても割に合わない職業でしょう。
どのような問題が起こるか?
教員の人気が下がるとどのような問題が起こるのか。
まず教員の質が下がるでしょう。
10年前では合格の水準に満たない応募者レベルでも、現代なら採用されてしまうというリスクがあります。
これが各地で起こると教員の質が低下します。
教師の質が低い
↓
生産性が下がる
↓
保護者との問題が起きやすくなる
↓
さらに不人気になり応募者が減る
↓
教員の質が下がる
どんどん悪循環が続いてしまいます。ではどうすればよいのでしょうか?
解決策は?
まず教科担任制を導入します。教師の負担を減らしましょう。
いくら小学校の内容とはいえ色々な教科を1人で教えるのは効率が悪いです。
知識だけならネットで手に入る時代。
専門スキルのある人が教える方がはるかに身になるでしょう。
次に、民間企業からの採用です。
個人的に前から言っていますが、大学を卒業してすぐ教師になるのは反対です。
一度社会を経験した人を教員にする、もしくは教員免許がなくても指導できるような人材の確保が大事です。
ではどんな人材が必要なのでしょうか?勉強ができるだけの人はいりません。
先ほども書きましたが知識はネットで手に入ります。
動画で何回も授業を繰り返し観ることもできます。
大事なのは「知識を教えること」よりも「勉強のやり方を教えること」だと思います。
知識を得る方法や知識の活かし方を教える。暗記型ではなく思考型。
ものすごく難しいことですが、これをやる必要があると思います。
ゆとり教育の本来の目的もこういう自律思考を養うためのものだったはずなのに、「学習量が減るだけ」のものになってしまいまいた。
センター試験も2020年度から記述形式に変わります。(2021年追記:結局変わりませんでした)
小学校教育も変化が必要です。
時代の変化が激しいので学習指導要領も激しく変えないと対応できません。