【対談】井端弘和さん×阿部寿樹選手

井端弘和さんと阿部寿樹選手の対談です。

井端さんの解説は深いし、素人が聞いても分かりやすい。

野球選手は身体能力だけでなく考える力も必要だなと。

2019年5月26日サンドラより。

 

阿部選手 プロフィール
明治大学→HONDA→2015年ドラフト5位 26歳でプロ入り
3年間は一軍に定着できず

 

(井端さん)
マスターって呼ばれてるの?

 

(阿部選手)
呼ばれてます。

 

(井端さん)
なんで?

 

(阿部選手)
伊東ヘッドが、「喫茶店とかバーにいるマスターっぽい」と。

 

(井端さん)
西武の辻監督が「ヒゲが似合ってない」と言ってくれと。
「次の交流戦までになくしといてくれ」と。

 

(阿部選手)
この愛称もついてしまったので。。整えときます。

 

(井端さん)
プロ4年目で今年30歳。焦りはなかった?

 

(阿部選手)
ずっと焦りはありました。

 

(井端さん)
一軍の壁を感じた?

 

(阿部選手)
球の速さと変化球のキレが。
変化球攻めされて全部空振りしてた。
真っすぐがきてもそれを打ち損じていた。
思いっきり振っていなかったです。当てにいく感じでした。
結果が出ていなかったので、もうそろそろクビになるかなと思っていました。

 

(井端さん)
ぼくの話。3年目から一軍で出場しだして、
2年目まではファームにいて、同期で入団した選手が2年でクビになって、
次は俺の番かなという感じがあって、
そこからなんか怖いものがなくなって、
最後の1年だから楽しくやろうかなぐらいにやったら、
意外に(成績が)良くなって。そんな感じ?

 

(阿部選手)
そうですね。
どうせやるなら思い切りやろうかなと思って。

 

(井端さん)
打撃面では何が変わったの?

 

(阿部選手)
ムダな動きをしなくなりました。
前までは打つまでにけっこう動いていたんですけど、
今年はあまり動かないフォームにしました。

 

(井端さん)
去年までのバッティングを見ていると、手の動きが早い。
慌てているので、速い真っすぐに詰まる。
それを意識しているなら、何もアドバイスすることはないです。

 

-開幕スタメンを掴んだ。

(阿部選手)
去年まではなぜ打てたのかも、あんまり分からずにやってたんですけど、
今はちょっとずつですけど分かってきたかなと。

 

(井端さん)
1打席凡打してもベンチに戻ってきて、
何となくその映像が自分の頭の中に残っていて、次はこうしてみようとか?

 

(阿部選手)
そういうのはあります。

 

(井端さん)
これができるということは、大崩れすることはないと思うし、
それを続けていけばいい。
その中でも得点圏打率が高くて、チャンスのときはどんな意識で?

 

(阿部選手)
とりあえず空振りしない。あとは次のバッターに繋げる意識でいて、
フォアボールでもいいやっていう感じでいってるのがいいのかなと。

 

(井端さん)
将来的に5番、6番を打つタイプだと思うので、
「俺が決めてやる」ぐらいの気持ちでやってほしいけど。

 

(阿部選手)
考えます(笑)。

 

(井端さん)
考える・・・(笑)。

 

-井端さんが内野手の極意を伝授

(阿部選手)
守備は緊張します。

 

(井端さん)
守っていて何を意識している?

 

(阿部選手)
バウンドに合わせること。1歩目です。

 

(井端さん)
今はセカンドでしょ。入団したときはショート。
ショートに比べれば何も慌てることはない。
ショートのような感覚で送球しようとすると、
ファーストがベースに入っていないことがある。
あれ?っと思うタイミングがあるから、
セカンドはランナーの動きを見るぐらいの余裕があるといいのかなと。

 

アドバイス

(井端さん)
バッターにもよるけど、ラインの前で守りすぎてない?

 

(阿部選手)
慌てちゃうというか、すぐに捕りにいっちゃいます。

 

(井端さん)
ショートをやっているとその感覚は分かる。
時間との戦いだから。でもセカンドは意外と余裕があって。
ウッズやブランコと一緒にやってて、
投げようと思ったらまだ走ってるというのがあって、
どうしようかなと思ったときに、
ポジションを後ろにしたら、タイミングがちょうどいいと気付いた。
阿部選手はちょっと浅いかなと思ってみてたので。

 

それに気付いたのは、カープの松山が打ったセンター前ヒット。
(5月6日のカープ戦で同点タイムリーを許したシーン)
あれは打った瞬間は正直、セカンドゴロだなと思った。
飛び込んだのがラインの前だった。
(足が速くない)松山だよ?
あれはラインの後ろで守っていたら捕れたと思う。
そうすればゲームセットだった。
相手が右バッターで味方が右ピッチャー、
一二塁間をきれいにヒット打たれたらピッチャーのせいにしていいと思う。
というのは川上にも言ってた。吉見にも言ったし。
でも引っかけ気味にピッチャーの横を抜けていく打球は、さばいてあげないと。

 

アドバイス

(井端さん)
京田選手との動きを上から見てると、一緒に動いていないんだよね。
定位置同士でもないし、どちらかが寄ったら寄るという位置関係が
まだまだ出来ていない。

 

(阿部選手)
二人とも好き勝手にやっている。

 

(井端さん)
(苦笑)。
チームで失点を防ぐために、大事な部分を任されているので、
バッターに余裕を与えないように。
この内野は抜けないなと思わせたら、
バッティングが強引になってくる可能性もあるし、
バッターを守備でも多少は崩せるのかなと思うし。

 

(阿部選手)
京田とは意思の疎通ができていないのかなと思いました。
バッティングの話をすることが多い。

 

(井端さん)
荒木さんとバッティングの話をしたことはないですけどね。1回も。
守備の話はよくしたし。
「ちょっとこっちに寄るよ」という一言で、
「じゃあセカンドはこっちか」と連携が取れる。

 

(阿部選手)
とりあえず京田と会話します。

 

-シーズン前はレフト・ファーストの練習をしていた

(阿部選手)
前は試合に出ることが大前提で、
出るためには外野をやってみようとか思っていましたけど、
セカンドを取りたいです。

 

(井端さん)
そうだね。ファーストミットはもういらないよ?

 

(阿部選手)
はい!

 

(井端さん)
去年まではファーストミットをよく持ってて、
そんなのいらないよと言っていたけど、
内野手のグローブでいってもらいたいな。

 

アドバイス

(井端さん)
移動は電車で?

 

(阿部選手)
休み移動のときは電車の方が早いので。

 

(井端さん)
タクシーで行こう。一軍なんで。

 

スタジオにて。
(井端さん)
左右関係なく打てるのが魅力だと思いますし、
守備に関していえば元々ショートなので、
もっと自信をもってやってくれればいいのかなと思います

 

 

色々と深いお話でした。

セカンドとショートでタイミングが違うんですね。

守備でプレッシャーをかけるという考え方も新鮮でした。

そして、一軍はタクシーを使えと。

井端さんには早く中日の指導者になってほしい!

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