転職に成功していた

私は過去に二度、転職している。二度の転職は失敗だと思っていたが、どうやら成功だったかもしれない。

最初の転職

最初の転職は新卒で入社した会社を辞めたときだ。辞めた理由はつらかったから。残業が多い、上司から叱責される、仕事が面白くない。何もかも嫌だったが給料だけは良かった。同級生で一番もらっていたと思う。みるみる貯金が増えていった。ただあのときは「お金を払ってでも会社を休みたい」と思っていた。お金なんてどうでもいいから人間らしく生きたいと。というかもう死ぬことしか考えていなかった。

会社を辞めて転職した。給料は下がった。だが色々と恵まれた。仕事自体は面白くなかったが、みんなで協力して進めるという一体感が良かった。上司や同僚も優秀で気さくな人が多かった。社会人としてやっていけるかも?と自信を取り戻した。

二度目の転職

恵まれた職場だったが環境を変えたかった。自信を取り戻していたので、どこにいっても通用すると信じていた。転職することに迷いやためらいはない。今後の人生を逆算すると転職のタイミングは今しかないのだ。ということで転職し現在に至る。

現在

今の職場は給料がいいわけではない。人間関係も普通だ。残業はほとんどない。やりがいは微妙。不満があると言えばあるし、ないと言えばない。

ある意味安定している。これが私の望んていたことかもしれない。確かに同級生と比べると年収は低い。そこに負い目はあるけれど、自分自身はけっこう幸せなのではないか?独身貴族と呼ばれるような派手な生活はできないが、そこそこ食べたいものを食べることができる。欲しいものがあればちょっと無理をすれば買えるし。何より精神的な負担がない。これが一番大きい。

そう考えると転職に成功しているではないか。社会的地位もないし安月給、将来性もない。でもメンタルが安定している。キャリアダウンの転職をしたと思っていたが、実は成功していた。

今は成功だったと思えているが、5年後10年後は分からない。同級生と比べるとどんどん年収に差がつくだろう。退職金だって差が出る。そのときにどう思うのだろう。先が分からないから人生は楽しい。