「逃げていい」と言うけれど。

「つらかったら逃げてもいいんだよ」という言葉について。

一昔前は「石の上にも3年」や「仕事がつらいのは当たり前」という風潮だったが、今は「逃げていいし、むしろ逃げるべき」という言葉が増えてきた。

仕事と書いたけど、学校生活でも結婚生活でも同様。

「つらかったら逃げていい」をよく聞く。

精神的に追い込まれると「逃げる」という判断ができなくなるので、周りが声をかけないと気付けないし逃げられない。

だからこの言葉は有効というか、いい言葉だと思う。

ただ少しズレると「楽な方へ進む」という受け取り方にもなる。

「仕事がつらいなら逃げてもいい」

でもニートになって実家暮らしをすることはいいことなのか?

「体調が悪いなら会社を休んでもいい」

でもちょっとダルいだけで休んでもいいのか?

「仕事が合わないなら辞めていい」

まだ1ヶ月しか働いてないのに辞めていいの?

難しいのは、どこまでが逃げていいかの線引きができないこと。

その判断ができないから、間違った行動をしてしまうのだ。

例えば俺の場合。

パニック障害を理由に休職や時短勤務という選択がある。

この逃げは正しいか正しくないのか?

無理して出社することにより人に迷惑をかけたり、心が病んで自死するなら休むべきだし。

その判断は結局、自分でするしかない。

でもその判断がまたつらいんだよ。

さきほども書いたが、心に異常があるときはその判断ができない。

過労死やブラック企業で自殺したニュース、周りから見れば「死ぬ前に辞めればいいのに」というけど、それが出来ないの。

これは頑張り過ぎた場合の例。

逆に、逃げて逃げて逃げた結果、40代で実家ひきこもりというパターンもある。

だからうかつに「逃げていい」とは言えないね。

「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」という言葉が有名すぎるから、アンチテーゼとして「逃げてもいい」が普及したのではと思う。

今日の俺は体調が悪い。

今すぐ早退する(逃げる)か、悩んでいる。

逃げるorサボるの判断は難しいね。